いつも楽しみにしていた家族旅行

私の実家は一年に何回か家族旅行にでかけていた。
場所はほとんどが国内であった。
特別有名なところにでかけるわけではなかったが、地元の食べ物や景色を楽しみにしていた。
私がもっとも満喫したのはホテルでの時間だ。
日常から切り離されたそのひとときは至福であった。
忘れられないホテルのひとつに九州のとある海沿いのホテルである。
部屋はもちろんオーシャンビューである。
部屋の窓いっぱいに広がる海。
まさに借り景色だ。
そこは父の生まれ故郷のそばでもあるため父も大変気に入っていた。
窓から見える小さな小島で父が子供のころよく遊んだことを何度か話してくれた。
そのホテルの夕食はこれでもかとばかりに次から次にでてくる。
しかし、和洋とバランスよくでてくるため、いくらでも入るのだ。
とくにロブスターがぷりぷりで忘れられない味である。
味付けは九州なのでどれも甘辛い。
それがまた食欲をそそるのだ。
ほとんどの人は温泉地にでかけたら朝に風呂に入ると思う。
例にもれずうちの家族もホテルではまず朝起きると風呂に入る。
そのあとの朝食がとにかくおいしい。
血液の循環がよくなっているせいか、朝なのにおかわりである。
その前の晩もたらふく食べているにもかかわらず、ものすごい食欲である。
普段は結構な値段だが閑散期に行くとかなりの格安でとまることができる。
1泊二食付の格安ホテル
ある時はまたかなり節約の旅行をした。
九州北部地方のあるホテルだ。
そこはある旅行雑誌にのっていたので予約していった。
売りは夕食の豪華バイキングだ。
旅行雑誌にもバイキングの写真が大きく掲載されている。
平日にも関わらず満員だった。
そのためやや清潔さに欠けた。
そこまで手がまわらないのであろう。
目玉商品のバイキングはというと、特別おいしいわけではない料理が数々あった。
それがバイキングというものだ。
選択の自由にお金をかけているということなのだ。
種類がありすぎて何をとったらいいのか迷った。
しかし値段が値段なのでそれなりに楽しんだ。
結局時がたてば楽しいことしか覚えていない。
ホテルのそばに小さな動物園があった。
小雨が降っていることもありほとんど人がいなかった。
晴れていてもそんなに集客は見込めないと思われる程度の動物園だ。
というより公園。
でも入場料はいるのだ。
そこに大きなリスがたくさんいた。
小屋はあるのだが開いている。
出入り自由なのだ。
リスたちはとても人懐っこい。
子猫のようにじゃれてくる。
人があまりこないからさびしいのだろうか。
1泊2日だったので急ぎ足の旅行だった。
。
家族の中で妹だけ一人暮らしをしていたので、妹とは現地で別れた。
船で帰ったので皆で港まで見送った。
市民の足として利用されているちいさな船だった。
最近はそれぞれ家庭を持ったのでめったに家族旅行をしなくなった。
今度は私から提案してみようと思う。
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